wipe-out を使用してHDDを消去してみた

目次


概要

別で使用していた3.5インチの SATA HDD を消去する必要があったので、「ハードディスク消去ツール「wipe-out」」を使用させていただきました。
その時の作業手順をメモにまとめておきます。

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wipe-out 起動用のUSBメモリを作成する

  1. wipe-out は、CD-ROM版、USBメモリ版、フロッピーディスク版が選べるようですが、使用するパソコンには CD-ROMドライブもフロッピーディスクドライブも無いので、 USBメモリ版で作業を進めます。

  2. サイトから、wipe-out バージョン 1.8の「USBイメージ版」をダウンロードします。
      http://www.wheel.gr.jp/~dai/software/wipe-out/history.html#download
      ファイル名:wpout18t-2018-08-08.usb
      サイズ:49,283,072 バイト
      ハッシュ SHA1:9e8ab817f7902477da7073dc3fda410d6be92dac

  3. USBメモリを1つ用意し、内容をすべて削除します。
    USBメモリ内が複数のパーティションで分割されている場合は、「ディスクの管理」でUSBメモリ内のすべてのパーティションを削除し、その1つのパーティションを、FAT32でフォーマット(クイックフォーマットでOK)します。
    誤って書き込むこむことを防ぐために、使用するUSB以外はすべて外しておくことをお勧めします。

  4. イメージをUSBメモリに書き込むツールを用意します。
    wipe-outのマニュアルには、[DD for Windows]が記載されていましたので、サイトのダウンロードページからダウンロードしました。
    DD for Windows
      https://www.si-linux.co.jp/techinfo/index.php?DD%20for%20Windows
      バージョン:Ver.0.9.9.8
      ファイル名:DDWin_Ver0998.zip
      ハッシュ SHA1:52f3439257a07722ae83da9be04afc80410a23aa

  5. ダウンロードしたファイルを解凍し、中の [DDWin.exe] を [管理者として実行] します。
    普通に実行すると、[対象ディスク]にドライブが表示されませんでした。ご注意ください。
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  6. 対象ディスクに表示されているドライブが、書き込みたいUSBメモリであることを確認します。

  7. [ファイルの選択]をクリックし、ダウンロードした USBファイルを選択します。
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  8. [<<書込<<]ボタンをクリックします。
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  9. 書き込みが終了するまでしばらく待ちます。
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  10. USBメモリを取り外します。

参考

wipe-outの起動

  1. 作成したUSBメモリを接続し、パソコンの電源をONすることで、wipe-outが起動します。
    削除したいHDDが外付けのUSB-HDDの場合は、起動時に接続しておきます。
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    が、私が使用しているパソコン(Fujitsu LIFEBOOK)では、背景が黒い画面で「選択したデバイスから起動できませんでした」と表示され起動できませんでした。
    先に、次項の BIOSの設定を行う必要がある様です。

BIOSの設定

  1. BIOS設定画面を開きます。
    (私の使用している FMV LIFEBOOK では、電源投入直後に [F12]キーを連打することで、BIOS設定画面が開きます)

  2. 管理者パスワードを設定します。
      BIOS設定画面で、[セキュリティ]→[管理者パスワード] で、パスワードを設定します。
      これ以降、BIOS設定画面を開くときにパスワードが要求されるようになります。

  3. セキュアブートを無効にします。
      [セキュリティ]→[セキュアブート設定]→[セキュアブート機能] を [使用する]→[使用しない] に変更します。

     ※Windowsパーティションを BitLockerで暗号化している場合、
      セキュアブートを無効にすると Windows起動時に BitLocker回復モードに入るなど
      Windowsの起動がややこしくなるのでご注意ください。
     ※上記の設定変更ができない場合は、いったん [F10] 保存して終了 を行い、
      再度BIOS設定画面を開きます。

  4. 互換性サポートモジュールを有効にします
     [詳細]→[起動設定]→[互換性サポートモジュール]を、[使用しない]→[使用する] に設定する。

  5. 起動メニューを有効にする
     [セキュリティ]→[起動メニュー]で、[使用する]になっていることを確認。

  6. [F10] 保存して終了

wipe-outで消去する

  1. 正常に起動できると、wipe-outのメニュー画面が表示されます。
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  2. メニューから [別のディスクを選択する] を選ぶと、接続されているディスクの一覧が表示されるので、消去したいディスクを選択します。 f:id:HopStepLab:20200322015914p:plain

  3. メニュー画面上部で、[現在選択中のディスク]が消去したいディスクになっていることを確認し、消去を実行します。
    消去については、家庭やオフィスの一般的な利用であれば、
    [0を上書きして、このディスクのデータを消す]
    を実行すれば十分ですが、より高度なセキュリティ対策を要求される場合は、複数回上書き等の消去方法も選べるようです。

  4. 「~消去します。よろしいですか?」のメッセージが表示されるので、間違いないことを確認し [<Yes>] を選択します。
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  5. 再度、確認のメッセージが表示されるので、再度確認し [<Yes>] を選択します。
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  6. 消去が始まります。
    動き出してしばらく待つと、残り時間が表示されるので、終わるまで待ちます。
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  7. 終了したことを確認し、[<OK>] を選択します。
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確認

消去されたことを確認してみます。

  1. メニューから、[ディスクのデータを表示する] を選択すると、ディスクのデータを見ることができます。
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  2. しかし実際に見ていくのは大変なので、メニューから [データが消去されたか確認する] を実行します。
    ここでは [高速] を選びましたが、重要なデータが入っていたHDDの場合は [通常] で確認した方がいいかもしれません。
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  3. チェックが始まるので、終わるまでしばらく待ちます。
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  4. チェックが終了したら、すべて消去されていることを確認します。
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  5. 消去が終われば、メニューから[シャットダウンする] を選択します。
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所要時間など

  • 2TB の 3.5インチ SATA-HDD を、USB 2.0 変換アダプターを経由し接続した場合、消去に約1230分かかりました。
  • 4TB の 3.5インチ SATA-HDD を、USB 3.0 変換アダプターを経由し接続した場合、消去に約900分かかりました。
  • 4TB の 3.5インチ SATA-HDD を、USB 3.0 変換アダプターを経由し接続した場合、消去確認(高速)に約65分かかりました。

記事内の環境について

  • パソコン:Fujitsu LIFEBOOK WU2/B3
  • OS:Windows 10 Pro 64bit Ver 1909
  • 消去したHDD:3.5インチ 2TB SATA 3.0 Gb/s 7200RPM(HGST HDS722020ALA330)、3.5インチ 4TB SATA 6.0Gb/s 7200RPM(HGST HDS724040ALE640)
  • Groovy S-ATAIDE ▶ USB 2.0 変換アダプター(UD-500SA)
  • CENTURY 裸族の頭 IDESATA 6G bps to USB3.0 変換アダプター(CRAISU3S6G)